大井川地区(ホーキ薙)直轄治山工事

施工のポイント

治山工事とは

集中豪雨等で被災した森林の再生(崩壊地の復旧・整備)や水源地域における荒廃地・荒廃森林の整備、集落や農地等を気象害などから守る工事です。

治山工事で大変なこと

治山工事を行う施工箇所は、山深い山中での施工であるため工事期間の半分以上が濃霧の中での作業になり気象条件は非常に特殊で危険な工事です。

標高も1450mと高いため夏は涼しく作業はしやすい環境ですが、12月初旬には雪が積もり工事に影響が出るため日々の工程管理は重要となります。

また、施工面では治山工事にはなくてはならないケーブルクレーンの計画は苦労します。資材運搬に使用するケーブルクレーンは主線ワイヤーの直下にしか資材は下りないため法線の選定が非常に重要となります。

法線の計画を間違えると、資材は荷下ろしすることができないため、架設前には測量機器を担ぎ山登りすることや山中を歩き回るため測量をするだけでも一苦労します。

その他にも、現場までの林道は落石や凸凹道など大雨時には崩落の危険性もあるため協力会社も含め会社に帰るまで気を抜けない現場です。

治山工事で工夫したこと

工事担当者として、低コストで出来栄えの良い優良工事に仕上げられるように「計画」について工夫しました。

あらかじめ、完璧な計画を立てることで出来栄えやコスト削減に繋がると考えたためです。

出来栄えについては、初年度計画時に設計図書の見直し検討を発注者、設計者と行い構造物の線形や施工性について図面の修正を行い出来栄えの向上に努めました。

大規模崩壊地であるこのホーキ薙の工事は複数年計画のため、初年度計画は非常に重要なことと考えられたためです。

ページ上部の写真は工事着手して6年目の完成写真になります。正面からの写真ではわかりにくいですが、構造物の配置も自信が持てる出来栄えとなっています。

次にコスト削減についてですが、施工にあたり特に材料の無駄をなくしました。

構造物に使用する材料はロスなく注文できるように平面図から展開図を事前に作成「計画」したことで数量を掴みやすく無駄のない資材の注文に繋げることができました。

今後も工事を受け持つにあたり、コスト削減、出来栄えに重視しながら引き続き「計画」の重要性を認識したうえで工事に携わっていきたいです。

工事詳細情報

工事名 大井川地区(ホーキ薙)直轄治山工事(R2ゼロ国)
工期 10か月間
発注者 大井川治山センター
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